平成2年 弁論大会最優秀賞 演題「佐賀の未来を考える」|プロフィール【福岡たかまろ 公式サイト】

福岡たかまろのプロフィール

平成2年 弁論大会最優秀賞

演題「佐賀の未来を考える」

「活気ある、魅力的な郷土にしたい。」これは、ふるさとを思うみんなの願いです。皆さんにおいでいただいている私達の郷士・佐賀は、かつて明治維新においては、大隈重信や副島種臣ら数多くの憂秀な先達を輩出したところです。幕末から明怡にかけて、佐賀では多くの若者達が競って先進的なに科学技術や語学の習得に励んでおり佐賀は当時他のどこの地域よりも若者の活力に満ちあふれていたことでしょう。ところがその後、刻々と変化していく世界や日本の流れの中で大きくとり残され、今や佐賀県は産業や文化など様々な面において後進県と呼ばれるようになっています。そして、かつての生き生きとしたエネルギーもまた失われつつあるようです。こういう現実を踏まえて、佐賀に住む一高校生として若者の立場から佐賀の将来について考えてみたいと思いますが、これはまた、東京に対する地方として位置づけられる九州各県の皆さん方にも是非一緒に考えていただきたいことであります。

まず第一に、県の基幹産業とも呼べるものを育てあげていくことが大切です。米の自由化が叫ばれ、日本の産業構造自体が急激に変化している今、農業中心の発想を見直し、これからの佐賀を支えるに足るような産業を確立することが必要ではないでしょうか。政治経済、文化において東京への一極集中が問題視されている今、地方都市の一つとして、佐賀にしかない独自のものを前面におし出して、広くアピールしていく必要があると思います。幸い、佐賀では"吉野ケ里"という全国的なブームをまきおこした遺跡が発掘されました。日本人は働きすぎだという内外の批判の中で、余暇の過ごし方が見直され、人々の歴史への関心も高まっています。この歴史的遺跡の発見を-つの契機として、手ごろな土地と豊かな自然と言う地の利を生かして、従来の遊び一辺倒のレジャー施設とは一味違った、歴史と文化と自然とを融合きせ、娯楽と学習の両面を兼ね備えた文化産業とでも呼べるものを開拓していくことも、-つの方法ではないかと思います。

第二に、人々が暮らしやすい、魅力ある街造りを進めていく必要があります。大きなビルを増やすというような形だけの街づくりではありません。子供から老人までが、笑顔で安心して毎日の生活を送れる、そんな暮らしやすい街を作っていくことが大切です。図書館などの公共施設や、社会福祉施設の充実さらには交通網の整備など解決せねばならないことは数多くあると思います。しかし、都市化が進んでいない地方都市なればこそ、今こそ街全体の調和を考慮し、長期的展望に立った街づくりを考えていく必要があると思います。

そして、第三番目として、これが最も重要であると考えていることですが、佐賀に住む人々、特に若者の意識を変革していくことが大切だと思います。佐賀県人は、よく閉鎖的であると言われます。先日も、私達の学校にやってきたアメリカの留学生が、「日本の高校生は何に興味があるのか」と真剣に問いかけているのに対し、生徒の方は消極的な態度でまともに答えようとはしません。せっかく相手が手をさしのべているのに、その手をしっかりとはつかみきれない、そこに私達日本人の、そして佐賀県人の閉鎖性があるように思えます。世界を見わたせば冷戦の終焉、東西ドイツの統合など世界はまさに激動期 にあると言えましょう。その中で、私達佐賀の若者が第二の大隈重信、副島種臣となるためには、ただ単に一佐賀県人としてではなく、日本の一国民、さらには 世界国家の一構成員であるという立場から、幅広い物の見方をする必要があると思います。確かに、人間の心の中にある目に見えない意識というものは、簡単に変えることはできないでしょう。しかし、どんなに困難であろうとその問題を座視することは、結局は、若者自らがその責任を放棄することに他なりません。幸い、私達若者には熱い情熱があります。みずみずしい感受性や豊かな直観力があります。大切なことは、第一歩を踏みだすことなのです。たとえば、これからの社会を担うべき我々学生達が自らの手で佐賀の未来を考える場を設けて、そこで徹底的に討論していくことも必要でしょう。私達は外に向かって住みやすい街を求めるのではなく、この郷土「佐賀」を理想とする街に変えていかなければならないのです。

与えられた環境の中でいかに生きるのかということよりも、本来はどうあるべきか、理想の姿とは何なのかを日ごろから追求していくことこそが、今私達若者に求められていることだと確信します。


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